(宇)ご贔屓作品

初出 '00/03/05 23:46
'02/05/22 一部修正



 前半を読んでいる間は、今回はちょっと小粒かも、それなりに面白いんだけれども衝撃的でないかなー、などと思っていたのですが。
 後半に入ってだいぶ好みのお話があって、ああ今回も買って良かった、という読後感を得られました。
 惜しむらくは、もっともっととんでもない衝撃的な「宇宙生物」が登場してくれたら良かったかも。意外にも、巨大怪獣なんてのは一つもありませんでしたね。そういうものは映像作品に任せてと誰もが思ったのでしょうか。
 というところで、ご贔屓作品を上位5作選んでみました。結果的に全部真ん中以降の作品になりましたが。


  ご贔屓の作品の順位 & [コメント]

1位 「安住氏への手紙」菊地秀行
 はあ、やっぱりうまいですねえ。うまい、というのも妙なのですが……この行き場のない切なさに反応しないではいられません。
 無条件降伏。

2位 「バルンガの日」五代ゆう
 これも切なさの物語なので、単に私のツボなのかもしれませんが。失った子への情と終末の悲惨な状況の描写に。これは痛くて、切ない。

3位 「宇宙麺」とり・みき
 いやあ、上記二作がなければこれがトップをとっちゃうなあ、まずいかなあ、などと思っていたのですが。(小説と漫画を同列に比較することはできないように思っているためです)でもやっぱりうまいので。
 しかしシリアスタッチの絵柄でもこれはうまくできたバカ話ですねえ。
(でもでも、生きて動くくらいでラーメン食べられなくなったりはしないと思うの、実際には;)

4位 「占い天使」笹山量子
 うーん、どこかで見たアイデアという気はしないでもないですが……バカバカしさの勝ち、かと。
 しかしほんとにこの宇宙人耐えられるのかなあ、こんな「非論理的な」種族と同じ宇宙に存在し続けることに。

5位 「探検」井上雅彦
 井上氏はノスタルジーの作家ではないかと思っているのですが、この作品はノスタルジーが特にうまく醸造された一品と感じました。
 冒頭からは「ベヘモス館」(「異形博覧会」収録)のようなオチが待っているかと思ってたんですけどね。

 ううむ。どうもこうして俯瞰してみると、バカバカしさと叙情ばかりに引っかかっているような気が。我ながらなんて分かりやすい好みだろう。


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